この本は14の短編を集めた短編集。「ジャックポット」は収録短編の一つ。ロバート・A・ハインラインの短編「大当たりの年」原題は「ザ・イヤー・オブ・ザ・ジャックポット」。アマゾンで検索すると「S-Fマガジン 1962年02月号」 「破滅の日 (海外SF傑作選)講談社 文庫」がヒットするがどちらもすごい古本だ。
狂瀾怒濤
帯で煽っている通り、ダジャレ、パロディ、ブラックユーモアで紙面を埋め尽くしている。2ページ半に渡る「雨ニモマケズ」の中からほんの一部だけ切り抜くと
東ニイヂメラレテヰルコドモアレバ
行ッテ刃物ヲ渡シ
という感じで大笑いだ。元ネタがわからず損をしている部分もかなりあるが、それでも楽しめる。
1篇目の「漸然山脈」に「ラ・シュビドゥンドゥン」とうい曲が収められている。なんと著者ご自身が歌っている動画がYou Tubeにアップされている。
ジャズをやってる老人はかっこいい!
「川のほとり」
筒井康隆さんのグログ「偽文士目碌」で息子さんの死を知っていた。「川のほとり」は、悪ふざけ一切なしで、なくなった息子さんへの思い、残された家族への暖かさが伝わってくる。2020年3月10日の「偽文士目碌」で
光子には「伸輔をもうひとり妊娠してくれ」といっているのだが、無理なようである。
もし絵をお買い上げいただいたら土下座をするかもしれん。
などと書いておられる。ご子息のご冥福をお祈りします。
おすすめ筒井作品
短編では「アルファルファ作戦」に収録されている「色眼鏡の狂詩曲」文庫本の初版は昭和53年7月だが、古さは全く感じさせず、未だに外国に関する認識や異分野に対する認識もこの程度だろうと身につまされる。日中戦争の事も書かれているので、今読むのも面白い。
ずっと変わらぬ人気の「時をかける少女」
同じく変わらぬ人気の「富豪刑事」
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